先生の仕事

「教員辞めたい」は間違えていなかったという話とやめたい方向けのチェックポイント

2022年7月4日

「教員辞めたい」は間違えていなかったという話とやめたい方向けのチェックポイント

ゆりな

ニュージーランド留学、アメリカ留学を経て、英語の先生を6年間経験しました。
英検準1級、中学・高校英語教員免許を持っています。

こんにちは、元英語教員のゆりなです。

今日は、

教員辞めたいって思うことが増えた。
どうしたらいいか悩むな。
実際にやめた人の話が聞きたい!

このような悩み・もやもやを抱えている方に向けて、

この記事でお伝えすること

私が教員をやめたいと思った時のこと

やめたいと思った時のチェックポイント

やめたいと思ったら起こすべき行動

これらをご紹介します!

私は自分の経験から、「教員辞めたい」という気持ちが芽生えたら、自分自身と向き合うチャンスだと感じています!

まずは私自身が、どのように「教員辞めたい」と思っていったのかのエピソードをお伝えします!

「チェックポイントを先に見たいよ〜」という方は、目次で該当箇所まで飛んでくださいね!
ゆりな

「教員辞めたい?向いていないのかな?」という違和感を感じる

「教員辞めたい?向いていないのかな?」という違和感を感じる

私が「教員辞めたいかも」「向いていないのかな」と感じたのは、初任者としてスタートしてすぐのことでした。

教員採用試験に合格し、念願の教員生活スタート!という感じだったのに、徐々に違和感を感じていくのです。

私が、教員をやめたい・向いていないかもと感じた理由は次の通りです。

向いていないと感じた理由

「怒鳴る・怒る指導」が良しとされていた

部活動指導が苦痛だった

仕事量が多くていっぱいいっぱいだった

授業の楽しさを感じたり、子どもたちの成長がすごく嬉しいと感じる反面、

「教員は演じる力も必要!怒れるようにならなきゃ!」

「仕事が大変なのはわかるけど、部活動に参加しなきゃ生徒との距離も縮まらないから」

このように管理職や先輩の先生に言われることが多く、「これが学校の常識なんだ」と思おうとする反面、違和感を感じていました。

私は怒鳴るのが苦手で、生徒としっかり話すことで伝えてきましたが、いまだに私に「あとは怒れるようになればいいね!」という先生がいたりします。

また、「仕事は初任だから大変なだけで、徐々に楽になっていくだろう」と考えていましたが、全然楽にならないことに数年後に気づきます...!

ゆりな
初任の数年間は、「最初だから自信を持てずにネガティブになっているだけなんだ」と思っていました...

初めての学級担任で「教員辞めたい」という気持ちは薄らいだ

初めての学級担任で「教員辞めたい」という気持ちは薄らいだ

自分も違和感を感じることがあるんです。
その違和感をきっかけにやめることにしたんですか?

私の場合は、学級担任をすることで、一度「辞めたい・向いていないかも」という気持ちは消えました!

教員生活の中で「教員辞めたい」という気持ちが薄らいだのは、3年間学級担任をしている頃でした。

最初の1年目に持っていた違和感は、学級担任を持つことで、子どもたちのことを考えることで必死になり感じなくなりました。

また、子どもたちと過ごす時間が長くなれば長くなるほど、「この子たちのためにできる限りのことをしたい!」という気持ちが強くなり、教員という仕事の楽しさも今まで以上に感じられるようになりました。

同僚の先生のおかげで、部活の負担も軽減し、本来の教員としての業務に集中できるようになったことも、「やめたい」という気持ちが消えて行った理由でもあります。

ゆりな
今思うと、学校にも慣れ、周りの先生方の中にも信頼して話せる存在ができたのも大きかったと感じています。

「教員辞めたい」という気持ちを強くした一冊との出会い

「教員辞めたい」という気持ちを強くした一冊との出会い

「このまま教員としてスキルアップもしながら頑張っていくぞ〜!」と考えていた矢先、1冊の本の出会いと、転勤というターニングポイントがやってきます。

学校教育に少し違和感を感じていたので、この本を読んでみたら、その違和感が増し増しになってしまいました...!

▽堀江貴文さんの「すべての教育は「洗脳」である」

学校教育に違和感を感じている方はぜひ一度読んでみてください!(教員をやめたいという気持ちが増してしまうかもしれませんが...)

新しい職場での業務や生徒の実態が「やめたい」という気持ちを助長

新しい職場での業務や生徒の実態が「やめたい」という気持ちを助長

初任の4年間が終わり、新しい学校に転勤になり、この学校での業務や生徒の様子で「やめたい」という気持ちがさらに加速することになりました。

転勤先で私は退職することを決意

新しい職場で2年勤務し、夫の同意もあり、6年間の教員生活に幕を閉じました。

私の気持ちを加速させた要因は次の通りです。

気持ちが加速した理由

前任校より部活に力を入れていた

分掌や学年、教科外の業務が増えた

授業を受けたくない生徒との出会い

それぞれ正直にお話ししていきます!

部活に力が入り土日も休みなしの日々

新しい職場での業務や生徒の実態が「やめたい」という気持ちを助長

まず、1つ目のきっかけになったのは、前任校より部活に力を入れている学校だったため、土日のどちらにも部活動があり、1週間休めない日が続いたことです。

また、球技などのスポーツ経験も全くない私が副顧問として担当した部活は、男子バスケットボール部!

部活に参加しても指導はできず、ただただ練習を見守ったり応援したりする3時間を繰り返しました。

何もできない私を生徒たちはどう思っているのか

私がここにいる意味はあるのだろうか、と辛い気持ちが心の中をぐるぐるします。

平日忙しく働き、まとまった休みもないことが重なり、どんどん心も疲れていってしまいました。

「このままでは病気になってしまう...」と本気で思ったことを覚えています。

分掌・学年・教科外の業務が増えた

分掌・学年・教科外の業務が増えた

教員をやめることを決意した2つ目の大きなきっかけは、分掌・学年・教科外の業務が増えたことです。

分掌や学年、教科の仕事は自分の仕事だと納得してできるのですが、管理職や他の先生が「この仕事の担当はあなたにお願いしたい」と決めた仕事が自分の業務を圧迫することにストレスを感じてしまいました。

例えば、私は生徒指導部で指導部の仕事があったのですが、教務の仕事なのでは...?と思われる「特別支援学級の時間割づくり」を担当していました。

また、管理職からは、ボランティアであるはずの部活動の体育館使用スケジュールなどをまとめる「部活動委員会」に任命され、先生方にスケジュールを聞いて周り、体育館割り当てを作成。

さらには管理職の仕事であることが多い、その日の生徒の利用状況に応じて行う下校バスの運転手さんへの連絡なども行っていました。

毎日空き時間がほとんどない中で、自分の業務はもちろん、「....これ、私の仕事ですか?!」という業務をやらなければならない...しかも絶対に不公平な仕事の振り方...。

年に2回ほどある管理職面談で相談しても、何も改善されず、

「学校で働く以上、これらの理不尽な仕事を引き受け続けなきゃならないんだ」と確信。

状況を変えられないなら、自分がやめるしかないという決意をしました。

授業を受けたくない生徒との出会い

分掌・学年・教科外の業務が増えた

最後の決定打となったのが、「英語なんて勉強したくない!」「そもそも授業受けたくない!」という生徒との出会いです。

私は授業を通して、生徒の学びをサポートするのが好きで、前任校では授業に真剣に取り組む子ばかりなのでやりがいも感じていました。

転勤先でも、もちろん楽しく積極的に参加してくれる子も多かったのですが、習熟度のクラス別だったこともあり「勉強が得意ではない&したくない」という子どもたちに授業をしなくてはならないという時間もありました。

子どもたちは騒いだりふざけたりをしながら、聞くべき時は静かにしてくれるのですが、

「英語を学びたくない子たちにどうして強制的に教えなきゃならないのだろう...」「もっと自分の得意なことを強化する時間を作ってあげられたら良いのに」

という気持ちが強くなり、「お互い辛いだけじゃないか!」と思うようになってしまいました。

お互いが我慢しながら過ごす時間って辛すぎませんか...?

もちろん私のエンターテイメント性がなかったことも要因ですが、「この学校教育の制度ならお互いに辛すぎ!」と思ってしまい、やりがいを感じなくなる時間ができてしまったことが、退職の決定打になりました。

ゆりな
これが私のリアルな心の変化です。初任の時に感じた「やめたい」という気持ちは間違っていなかったんだなぁと6年目に感じました。次からは、自分自身の気持ちと向き合うためのチェックポイントをご紹介します!

「教員辞めたい」と思ったらチェックしてほしい3つのポイント

「教員辞めたい」と思ったらチェックしてほしい4つのポイント

ぐはっ。
共感できる部分も多いな〜!
でも自分がやめるべきかそうでないかは見極めるのが難しくない?

難しいですよね!
ここからは私が「やめるかどうか」を考える時に、自分自身に問いかけた内容を紹介しますね!

「教員辞めたい」「自分は向いていないのかも」と思ったら、自分自身と向き合うチャンスです!

本当にやめたいのか、それとも教員の仕事は好きだから続けたいのか...一人ひとり思いは違います。

自分の気持ちがよくわからなかったら、ぜひ次の質問を問いかけてみてください!

自分にしたい3つの質問

職場が変わったら続けたい?

仕事量や役割が変わったら続けたい?

教員の仕事は好き?やりがいを感じる?

職場が変わったら続けたい?

「教員辞めたい」と思ったらチェックしてほしい3つのポイント

「教員辞めたい!」と思ったら、まず考えてほしいのは、「もし職場が変わったら教員として働き続けたいか」ということです。

職場が変わることで、次の変化が期待できます。

変わること

人間関係

役割分担

部活への熱量

授業への熱量など

もし、苦手な上司がいない職場だったら...話ができる歳の近い先生がいる職場だったら...

部活や授業への熱量が高くなくて、常に頑張り続けなくても良い職場だったら...

などの変化があれば、教員を続けたいですか?

答えがYESなら、転勤などを希望して職場を変えることで、今の仕事を楽しみながら続けられるかもしれません。

仕事量や役割が変わったら続けたい?

「教員辞めたい」と思ったらチェックしてほしい3つのポイント

次に自分自身に問いかけてほしいことは、「仕事量や役割が変わったら教員の仕事を続けたいか」です。

例えば、

変えられる業務内容

学級担任をやめる

分掌を変える

部活動の負担が減る

このように現状と比較をして、仕事量が減ったり自分の苦手な担当から外れたりできるなら、仕事を続けたいか考えてみてください!

なかなか難しいことが多いですが、管理職に相談をすることで、変えられる可能性もあります!

例えば、私の夫のケースですが、前年の校長先生がつくった不公平な役割分担を、管理職に相談することで次年度の校長先生が中心となって変えてくれたこともありました。

ゆりな
「仕事量や役割が変わったら続けられる」と感じるなら、まずは変えられないかぜひ相談してみてください!

教員という仕事が好き?やりがいを感じる?

「教員辞めたい」と思ったらチェックしてほしい3つのポイント

最後の質問は、教員という仕事が好きでやりがいを感じますか?というものです。

教員として働くことにやりがいを感じていたり、教員という仕事が好きな場合は、環境などを変えれば働き続けられます◎

ただ、

やりがいを感じる?

仕事をしていてもやりがいを感じない

もう教員であることがしんどくなってきた

何をしても意味がないと思ってしまう

このまま何年も続くと思うとぞっとする

など、やりがいを感じないし、仕事内容に魅力を感じない場合は、他の仕事を選ぶのも一つの方法!

やりがいを感じない仕事なのに、部活などのボランティアワークがあったり、時間外勤務がスタンダードなのはなかなか厳しいですよね。

ゆりな
次からは、「教員を辞めたい」と思った時の選択肢を紹介します!

「教員をやめたい」と思った時の選択肢

「教員をやめたい」と思った時の選択肢

自分の「教員辞めたい」という気持ちに向き合って、「環境や仕事の量などがかわれば、続けられるかも」「やめることも視野に入れて動き出した方がいいかも」などの方向性が見えてきたでしょうか?

ここからは、自分の方向性が見えてきた時に取れる行動をご紹介していきます!

あくまで個人的な考えですが、元教員である私や、現在教員をしている夫もこれらの方法を取り入れているので、参考になる部分があれば幸いです。

3つの選択肢

環境や役割を変えて続けてみる

仕事に対する気持ちの持ち方を変えてみる

転職活動などを初めてみる

環境や役割を変えて続けてみる

「教員をやめたい」と思った時の選択肢
状況が変わるように動いてみる!

1つ目の選択肢は、先ほどからもちょこちょこ出てきていますが、転勤を希望してみたり、管理職に相談をして業務量が減るように働きかけたりすることで、労働環境を変えてみる作戦です。

実際に私の友人にも、「一時期は辞めたいと思っていたけれど、冷静に考えてみたら今の学校から転勤できたら続けられそう」と話している先生がいました。

できるだけ自分が負担に感じていることが避けられそうな学校への転勤を希望してみたり、

管理職の面談や次年度の校務分掌の希望を出す時に、苦手な業務が減るように相談をしてみたりすることで、もしかしたら今よりぐっと働きやすくなるかもしれません。

ゆりな
管理職や、校内体制に影響力があって話しやすい先生など、信頼できる先生に相談してみるのがおすすめです!

仕事に対する気持ちの持ち方を変えてみる

もっと楽に捉えちゃいましょう!

2つ目の選択肢は、仕事に対する気持ちの持ち方を変えて、楽に向き合えるようにしながら続けるという作戦です。

「教員の仕事が辛い」「やめたい」と考える方の中には、真面目な方も多いのではないでしょうか。(私も真面目に考えすぎてしまうタイプです!)

いろいろなことを真面目に捉えると、子どもたちの言動や何気ない一言で心がズタボロになったりしませんか。(私はそうでした!)

夫は、「子どもの言うことには傷つかない」と言っていて、子どもは子どもで、教育というサービスを提供する相手!と割り切っているそうです。

子どもとのネガティブなやりとりが気になってしまう方は、「子どもなんだから仕方ないよね」と一歩引いて関わってみると少し楽にになっていきます。

転職活動等を始めてみる

少しずつでも前に進めればOK!

「いろいろ試したけれど環境は全く変わらない」「やりがいも感じないし、この先教員でいる未来は嫌だ」と感じる場合は、転職活動などをして動き出してみるのがおすすめです!

いきなり辞めたくなる気持ちはわかりますが、その場合「次の仕事がなかったらどうしよう」などという不安に襲われたり、「教員以外の仕事なんてあるのかな」とネガティブな気持ちになり動き出せなくなってしまう可能性があるので、教員として働きながら転職活動をするのが安心

転職活動をするための時間を作る必要があるので、少しハードですが、「現状が変わるかも」と思うと動き出せそうな気がしませんか?

実際に私の夫の友人の先生も、働きながら転職活動をし、教員を退職後スムーズに次の仕事についていました◎

「少し休みたい」という場合は、退職をしてゆっくり次の仕事を探すのもありですが、金銭面などで不安がある場合は、働きながら少しずつ前に進んでいくのが安心です!

リクナビNEXT

・大手転職サイト

・自分の強み診断ができる

・企業などからオファーが届くので、忙しい方も仕事を見つけやすい

自分に合う仕事について考えたいなら、こちらの本もおすすめです。

教員をやめたいという気持ちは自分と向き合うチャンス!

教員をやめたいという気持ちと向き合って解決策をみつけよう

今日は「教員を辞めたい」と感じた方に、教員をやめた私の実際のエピソードや、辞めたいと思った時に確認してほしいポイントなどをご紹介しました!

仕事をやめることをネガティブに捉える方も多いかもしれませんが、私は「やめたい」と感じたら今の自分と向き合って、環境などを変えるチャンスだと感じています!

ぜひ自分自身の気持ちと向き合って、自分らしく楽しく生きられる選択をしてくださいね!

私のこの経験が、この記事を読んでくださった方の役に少しでも立ったなら嬉しいです。

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